ニュージーランドの首都・ウェリントン。
コンパクトな街ながら、坂の街らしい立体的な景観と、海風に揺れる港町の匂いが同居し、歩くだけで“物語が流れ続ける”場所です。
そんなウェリントンでまず訪れたのが、定番でありながら何度乗っても心が躍る ケーブルカー(Cable Car)!
街の中心にある控えめな看板を辿っていくと、静かにチケット売り場へと導かれます。
料金は大人約5ドル。5〜10分間隔で次々と発車するので、写真を撮りながらゆっくり乗り場へ向かう余裕もあります。
1両編成の赤い車両は、まるでおもちゃのように可愛らしい。
ベンチ席に腰を下ろし、キュッと短い坂道を登ると──
わずか3〜5分で、ポストカードの中に入り込んだような山頂の景色が迎えてくれます。
ケーブルカーミュージアムと、休館中だった天文台
頂上からの眺めは、何度見ても胸がすっと軽くなる。
海と街の境界線が溶けあい、朝と昼の光が交差するその瞬間を、思わずカメラに収めたくなります。








山頂駅のすぐそばには、小さな宝箱のような Cable Car Museum。
古い車両の模型、ケーブルカーの仕組みを紹介する写真や展示が並び、「この街の人の生活は、この赤い車両に支えられてきたんだ」としみじみ感じられます。写真スポットにも最適。
そして次に向かったのは、星空を楽しみにしていた カーター天文台(Carter Observatory)。
…しかし、この日は無情にも休館日。
水・木が休みだと知らず、「ああ、旅ってこういう日もあるよね」と思わず苦笑い。
仕方なく、そばの丘にぽつんと立つ日時計のような建物を眺めてから、ボタニカルガーデンへと足を向けました。






ボタニカルガーデン。街へ続く緑のトンネル
Wellington Botanic Garden は、とにかく広い。
歩けば歩くほど、景色が変わり続ける“緑の迷路”。
ピンクや赤に咲き誇る花々、陽の光を浴びてゆるやかに揺れる木々、そして途中には、予約制の “Discovery Garden” という秘密基地のような場所まで。
坂道を下るにつれ、花の香りが風に乗ってふわりと漂い、「この場所は、街というより一つの生命体なんじゃないか」と思えてくるほど。
足を進めるたび、緑が街の中心へと導いてくれる。
自然から都市へ、ふわっと切り替わるその感覚が心地よいのです。




教会と「蜂の巣」国会議事堂
坂を下りきり、再び街に戻ると、まず目に飛び込んでくる白い教会の尖塔。
すっと空へ向かって伸びるそのラインが、歴史と静けさを語っているようでした。
その先に現れるのが、ウェリントン名物の国会議事堂 Beehive(蜂の巣)。
丸みを帯びた不思議な建物は、近未来的でどこか可愛らしい。
「蜂の巣」という名前がしっくりくるユニークなデザインで、観光客がみんな足を止める理由も納得です。



木造が軋む、ウェリントン博物館
次に向かったのは Wellington Museum。
木造の建物で、床を歩くたびに「ギシ…ギシ…」と音がする。
その音がなぜか温かくて、まるで古い家に帰ってきたような安心感があります。
展示は街の歴史、写真ギャラリー、海に関する資料など幅広く、観光地のにぎやかさとは違う、静かで深い時間が流れていました。


Te Papaで感じる“戦場のリアル”。ガリポリの記憶
ウェリントン観光で絶対に外せないスポット。
それが Te Papa Tongarewa(テ・パパ国立博物館)。
5階建ての巨大な博物館の中でも、特に印象に残ったのが2階の、Gallipoli(ガリポリ)戦争展示。
展示室に足を踏み入れた瞬間、巨大な兵士の像が目に飛び込んできます。
等身大よりはるかに大きく、血管や汗までリアルに再現されたその表情は、「戦争とは何か」を静かに問いかけてくる迫力。
兵士だけでなく、看護師の女性や実際の記録も展示されていて、まるで当時の空気に触れたかのような緊張が走ります。
「ただの観光施設じゃないんだ」と、その場で気持ちが切り替わる。
息を飲むような、重くて大切な体験でした。












まとめ
ボタニカルガーデンで感じた花の香り。
Te Papaで見た静かな展示の重み。
どちらも全く違う表情なのに、ウェリントンという街の本質を映しているように思えました。
海にも山にもすぐ行けて、アートも歴史もギュッと詰まっている。
二泊三日でちょうど良い濃さの街。
休館日に天文台へ行けなかったことさえ、「また戻っておいで」と言われたような気がして、旅の続きを楽しみにさせてくれる出来事でした。
静けさの中に、確かに息づく“命の鼓動”を感じるウェリントン。
そんな旅でした。
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