今回は、オークランドからフェリーで行ける無人島「ランギトト島(Rangitoto Island)」に行ったお話です。
ニュージーランド北島の代表的な観光スポットのひとつで、活火山の地形とトレッキングコースが魅力。
しかし、私にとっては“死にかけるほどの冒険”になりました——。
オークランドからランギトト島へ
オークランドの都市中心部からフェリーで約30分。
こちらがフェリー乗り場です。
とっても大きい建物になっております。
まずは、チケットを購入。
オークランドからランギトト島までは、現地窓口でも購入OK。
事前予約もできますが、余裕があればその場で大丈夫。
土日の朝一だと少しお得に乗れることも。
雨が降っていたので、まずはここで水滴を落として〜と言われ、いざ船上へ!





船はこんな感じの二階建て。中は広く、席もたくさんあります。
デッキから海風を感じながら進むのも最高。



そして到着したランギトト島。
地図を見ると、線が入っている場所がトレッキングルートになっています。
お隣には「モトゥタプ島(Motutapu Island)」も。
この日は天候の影響で、通常の港(左下)ではなく右下の船着場に到着。
不安な場合は、チケット売り場の人や船のスタッフに確認をおすすめします。


上陸してすぐ、山頂を目指してトレッキング開始。
急勾配の坂道が続きますが、青空と緑、鳥のさえずりが心地よい。
ランギトト島には売店が一切なく、水・食料は持参必須。(船の中には軽食コーナーがあります。)
無人島とはいえ、トイレは複数あり、しかも驚くほど綺麗です。
途中には火山の噴火跡も。
写真では伝わらないスケールの大きさに圧倒されます。









山頂の絶景と、思わぬトラブルの始まり
山頂からの景色は本当に素晴らしい!
360度パノラマで、オークランドの街と海が一望できます。
これは登る価値あり。






……が、ここからトラブルが始まります。
下山中、「景色が違うな?」と思いつつ歩いていたら、なんと立ち入り禁止のルートに入ってしまいました。
そして、雨が降る中、目指していた洞窟へ。
本当に真っ暗で、まるで樹海のような空気。
分かれ道が3つあり、どれも奥が見えず怖い。
懐中電灯・コンパス・長袖の服装は必須です。
島の中は圏外なので、スマホも使えません。








そして事件はここから——。
「35分のコースなら間に合うでしょ」と思い、別の道に入ったのですが、地図では実際1時間以上のコース。完全に判断ミスでした。
15分歩いても景色は変わらず、森の奥へ進むうちに、気付けば完全に迷子。
リボンやマークを頼りに何とか引き返そうとしましたが、方向感覚が失われ、雨と雹が降り始め、足場も最悪。
傘は壊れ、手は血だらけ。地図もぐしゃぐしゃ。
まさに“生きるか死ぬか”の瞬間でした。






後から知ったのですが、私が入ってしまったルートは、ランギトト島で最難関のトレッキングコース。
遭難中、グーグルマップが一瞬つながり、自分の現在地を見たときの絶望感は今でも忘れられません。

ただ、焦っても仕方ない。
落ち着くためにiPodで音楽を聴き、持っていたチョコを少しだけ食べました。
「パニックにならない」ことが、生き延びるための第一歩。
モトゥタプ島へ、そして虹のエンディング
どうにか森を抜け、フェリーの近くまで戻ると、まだ時間がありました。
せっかくなので、隣のモトゥタプ島(Motutapu Island)へ渡ることに。
ここはキャンプ場やビーチもあり、ランギトト島より穏やか。
牛や野鳥がいて、のんびりした時間が流れます。









そしてフェリーが来る5分前——空に虹がかかりました。
命からがらの冒険のあとに見る虹は、どんな景色よりも美しかったです。





まとめ
遭難して思ったのは、「自然をなめたら死ぬ」ということ。
どんなに整備されたトレッキングコースでも、天気・装備・判断力がすべて。
そして何より、生きるって、ほんとうに素晴らしい。
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