道は続き、旗は登る。― オークランド北部Albanyを歩いて見つけた日常【NZワーホリ旅行記④】

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オークランド北部の街、Albany(アルバニー)へ。
ただ歩いて向かったはずなのに、一歩ごとに風の匂いが変わり、街の表情が少しずつやわらいでいくのが分かった。

地図で見ればほんのわずかな距離。けれど、歩くという行為には不思議な力がある。
足で進むほど、見える景色が変わり、心までほどけていく。

日本で言えば桜木町や横浜のような雰囲気――
都会の便利さの中に、自然のぬくもりがゆるやかに溶けている。
そんな「暮らすように旅をする」という感覚を、Albanyで確かに感じた日の、記録です。

目次

オークランド北部、歩いて見つけた“暮らしの景色”

途中の橋から見下ろした高速道路は、まるで無限に続く川のよう。車が流れ、風が頬を撫でる。
ただの通り道なのに、立ち止まって見惚れてしまうほどのスケール。

歩くって、いいな。
車では見過ごしてしまう“瞬間の景色”が、確かにそこにありました。

Albanyの中心街に入ると、突然目に飛び込んできたのは、風にはためくカラフルな旗

近づいてみると、それはZIRKA CIRCUS(ジルカ・サーカス)の旗でした。
ニュージーランドでは有名な、移動式のサーカス団

街中で何度もポスターを見かけて気になっていたけれど、まさか偶然出会えるとは思わず、思わず声が出ました。

ショーの時間外で中には入れなかったけれど、“旅をしながら生きる”という働き方に、どこか憧れを感じました。
見せるために生き、移動することで日々をつなぐ。生き方そのものが“サーカス”のように自由で、潔くて、美しいなと。

そのまま街を歩いていると、目の前に現れたのは巨大なショッピングモール。
3階建ての吹き抜け、映画館(EVENT Cinemas)、カフェ、ブティック…。まるで「ららぽーと横浜」を思い出す空間でした。

すぐ近くにはスタジアムもあり、「東京ドームくらいあるんじゃないか」と思うほどの広さに驚く。

オークランドの北部は“田舎”という印象が強かったけれど、Albanyには都会的な賑わいと自然の静けさが共存していた。
そのバランスが、この街の一番の魅力かもしれない。

歩き疲れた足を休めるように、偶然見つけたのがAlbany Village Library(アルバニー・ビレッジ図書館)

建物はそれほど大きくないけれど、外に出ると驚いた。
図書館の裏には小道があり、その先には川が静かに流れ、木々が風に揺れている。

そんな風景に出会える図書館。
ニュージーランドの人々が自然とともに生きていることを、肌で感じた瞬間だった。

川沿いでは釣りをしている人の姿もあり、そのゆったりとした時間の流れに、まるで自分までこの土地の一部になったような気がした。

Albanyの街を歩いていると、“ニュージーランドらしさ”を感じる光景がいくつもあった。

たとえば、道端にある小さなフルーツ販売所
無人販売のように見えて、通りがかる人たちが自然にお金を置いていく。
「信頼が前提の社会」――そんな言葉が浮かんだ。

また、道路脇には車のスピードを表示する看板もあり、「今どのくらいの速度で走っているか」がすぐ分かる。
安全と遊び心が共存する、ニュージーランドらしい仕組みだと思った。

Rosedale Park ― 空の広さを感じる公園

さらに歩くと、Rosedale Park(ローズデール・パーク)に到着。
その広さに思わず立ち止まる。

「ニュージーランドの人が日本の公園を見たら、きっと驚くだろうな。」と思った。
日本の公園は狭く、人目を気にする空気がある。
でもここでは、誰もがのびのびと遊び、笑い、風を感じている。

公園の奥には牧場があり、さらに進むとヘリコプター場まで。
突然ヘリが降りてきて、思わず「え?」と声が出た。
この国では、日常と非日常の境界がとても曖昧だ。それがまた魅力的。

まとめ

この日はホームステイの最終日。
Albanyの街を歩きながら、「この土地で過ごした時間が、確かに自分の一部になった」と感じた。

歩けば、必ず何かが見えてくる。
それは地図には載っていない、自分だけの発見。

オークランド北部での暮らしは、旅の終わりであり、次の章へのはじまりでもあった。

次回は、都会・オークランド中心部の物語を綴ります。

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uta
関東在住の30代。
WEBデザインやWEBライティングを仕事とし、言葉とデザインの力で「誰かの人生を動かす」ことを信念とし、日々精進中。
日本国内はもちろん、世界を旅しながら、音楽・映画・旅行を綴り、未来へ紡ぐ。
自然や海、星空に心惹かれ、旅先での出会いや縁を大切にしている。
英文科出身のバックグラウンドを活かし、国内外のカルチャーに触れながら、日々新たな発見を求めている。
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