ニュージーランド・オークランド北部。
ローカルの人々が暮らすBrowns Bayから、青く広がるLong Bayまでを歩いた一日の記録です。
ただ海沿いを歩いただけなのに、時間の流れも、呼吸の深さも、少しずつ変わっていった。
この旅で感じたのは、“生きるペース”を取り戻すことの大切さ。
ニュージーランドで出会ったスローライフの空気を、写真とともに綴ります。
風と光の境目を歩いて
オークランド北部、Browns Bay(ブラウンズベイ)からLong Bay(ロングベイ)までは、ただの散歩道ではありません。
歩くたびに風の向きが変わり、空気の色が少しずつ違って見える。まるで、世界の境界線を渡っているような感覚に陥るんです。
朝、まだ日が柔らかい時間。空はどこまでも青く、雲が影を落とすたびに光をはじく。
「ここでは、自然が主役なんだな」と思うくらいでした。


旅の最初の目的地は、Browns Bayの中心にあるスーパー、Countdown!現地の方々のスーパーです。
店内に入り、ふと目に入ったのは大きな秤。自分で量って、ラベルを貼るスタイルでした。
日本では見かけないシステムに「そうか、ここはもう日本じゃないんだ」と少しワクワクして、少し心細くもなりました。
英語だらけのパッケージを眺めるだけでも楽しかったことをよく覚えています。

Browns Bayの中心街を抜けると、途端に人の気配が薄れて、代わりに空と風の広がりがやってくる。
住宅の間には、ぽっかりと空いたような空き地。
そこには誰のものでもない草原があって、「土地が余っている」という贅沢さに少し驚きました。
道端のフェンス越しに犬がのんびりと昼寝をしていて、遠くの丘では子どもたちがボールを追いかけている。
街全体が、ゆるやかに午後の光の中で呼吸しているみたいでした。




海へ向かう途中、ふと目に飛び込んできたのは、海辺のローラースケートパーク!
誰もいない滑走路の上を、風だけが走っていく。小説が一冊書けそうなくらいの風情でした。
大好きな小沢健二さんの「ローラースケート・パーク」をBGMに歩いたことを覚えています。









Long Bay Regional Park ― スローライフの象徴
Googleマップを頼りに歩くと、やがて見えてくるLong Bay Regional Park。
一面に広がる、広大な芝生と透き通る海。ここはもう「公園」というより、地球そのものだと感じました。
ピクニックシートを広げる家族、本を読む若者、静かにギターを弾く人。
みんながそれぞれの時間を生きていて、誰も他人を邪魔しない。
ベンチに座ると、海風が頬を撫でていく。
鳥の羽音、子どもの笑い声、芝の匂い。
その全部が混ざり合って、最高のスローライフを感じました。









華やかだけど、少し退屈なAuckland
ゆっくり一日を過ごしたあと、夕方、オークランド中心部へ戻りました。
高層ビルが並び、カフェやショップがずらり。
けれどそのきらびやかさが、さっきまでの自然の静けさとあまりに違って、少し眩しく感じました。
シティ中心部は、「観光なら一日で十分だな」と思いつつも、ショッピングが好きな人にはたまらないと思います。
そして、DAISO(ダイソー)を見つけた時は、なんだか懐かしくて嬉しかったです。
でも価格を見てびっくり!どの商品も一個$3.50(約300円)と超高額!
「100均じゃない100均」に思わず笑ってしまいました。
冬の時期には、Sky Towerにあるスノードームも人気スポット!
透明なドームの中に入って写真を撮ると、まるで雪の国の登場人物になった気分です。






TIPS:オークランドのバスについて
オークランドのバスでは、AT HOPカードという電子カードを使うのですが、「次は〇〇駅です」というアナウンスがないため、降りるタイミングは記憶と勘が頼りなんです。
夜になると真っ暗で、外の景色も見えない。何度もGoogleマップを開いては、「今どこ?」と心の中でつぶやいていたのを覚えています。
しかも、バスは止まってほしいときに手をあげないと停まってくれない。
最初のうちは勇気が必要でしたが、慣れると、それが少し楽しくなる。
「ここで降りたい!」とちゃんと伝えることで、旅が自分の意思で動き出すような気がしていました。
もしもニュージーランドに行くなら、「AT Mobile」アプリは必須です!
これがなかったら、たぶん目的地に辿り着けなかった…。

夜のシティと、暖炉のある家
そして、夜のシティは、昼とはまるで別の顔を見せます。
街の明かりが水面に反射して、まるでお台場の夜景を見ているよう。
風が少し冷たくて、港に出ると心がすっと落ち着く。
一日の終わり、光がゆっくりと沈んでいく時間。この瞬間が、旅でいちばん好きだ。


その夜、滞在先の家に戻ると、暖炉の火が静かにパチパチと音を立てていました。
ソファの上には一匹の猫。名前はセバスチャン。
ホストに聞くと、「クリスマスの朝、プレゼントボックスの中に入っていたの」と笑っていました。
ドラマチックな出会いですよね。
そして、テーブルの上には、色とりどりのフルーツが山のように並んでいました。
特に、ニュージーランドの特産、キウイ。
日本で食べるよりも甘くて、少しだけ酸味がある。
噛んだ瞬間に果汁が広がって、「これが本場の味か」と心から感動したことを覚えています。
そして、ニュージーランド滞在中、何度もお世話になったのがドミノピザ!
なんと、1枚5ドル(約500円)という破格の安さで、何度も食べて..体重が増加したことを覚えています。




まとめ
Browns BayからLong Bayまでの数時間の散歩は、ただの観光ではなく、“生きるペース”を取り戻す時間だったと感じました。
何もない道に美しさを見つけられたこと、人生をもっとゆっくり歩むことが大切だということ。
それがきっと、この旅のいちばんの収穫。あの風の感触を、これからも忘れずにいたいです。

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