ずっと心の中にあった「海外に住んでみたい」という夢。
お金がなくて諦めかけたその夢を、ついに叶えたのが2018年のことでした。
行き先は南半球の島国・ニュージーランド。
ワーキングホリデー(ワーホリ)で約1年間暮らすための、人生の新しい旅の始まりでした。
成田からオークランドへ|12時間の空の旅
出国したのは、まだ空気がひんやりと冷たい、秋の朝でした。
利用した航空会社はAir New Zealand(ニュージーランド航空)!
成田空港からオークランド国際空港まで、直行便でおよそ12時間のフライトです。
新卒で務めた仕事を退職し、新しい国で生活を始めるワクワク感と、「これからどうなるんだろう…」という不安が入り混じっていました。
そんな自律神経の乱れから機内で体調を崩してしまい、キャビンアテンダントの方に拙い英語で助けを求めて、なんとか回復。
今振り返ると、なかなか波乱の幕開けだったと思います。

そうして、ようやくたどり着いたのは、オークランド国際空港。
ニュージーランド北島にある、国内最大の国際空港です。
到着ロビーには、見慣れない単語が並んでいました。
特に飲食的だったのが、「Kia ora(キアオラ)」という言葉。
後に知りましたが、これはマオリ語と呼ばれるニュージーランドの先住民・マオリ族の言葉で、“Welcome”という意味の言葉でした。
最初はまったく読めなかったのに、不思議なことに、現地で暮らしているうちに少しずつ意味が分かるようになっていったことを覚えています。
マオリ語は日本で言えば“古文”のような存在で、土地の歴史と文化を感じさせる言葉だと気づいたとき、「本当に遠くへ来たんだな」と実感しました。


空港では最低限の両替を行い、SIMロックを解除したスマートフォンに、現地通信会社Spark(スパーク)のSIMカードを購入。
その後、エージェントが手配してくれていた車に乗り込み、ホームステイ先へ向かいました。
外はしとしとと雨が降っていて、車の窓を流れる雨粒を見ながら、「いよいよ、夢の生活が始まるんだ」と胸が高鳴ったことを覚えています。
オークランドでのホームステイ生活
ホームステイ先は、おばあちゃん・お母さん・息子2人・娘1人、そして猫が暮らす温かい家庭でした。
家の中には暖炉があり、「まるで映画の中みたい」と感じたのを今でも覚えています。
翌朝、部屋の窓から見えた景色は息をのむほど美しく、Browns Bay(ブラウンズベイ)の海と、その向こうに昇る朝日がまぶしく輝いていました。
空気は少し冷たくても、光には優しさがあり、「ここでの生活が始まるんだ」と実感した瞬間でした。




当時、私はまだ英語を上手く話せず、ホームステイ先のキッチンを使うのも少し遠慮していました。
そのため、昼食はもっぱら外食やコンビニで…。そこで初めて購入したパンとドリンクのセットは、なんと約500円。
「た、高い…!」と心の中でつぶやいたのを今でも覚えています。
現在はさらに物価が上がっていると聞きます。今、これを買うとしたら何円になっているのかがとても気になります。

そして、オークランド中心部がと非常に都会的だったことを覚えています。
港町の風景と、街のシンボルでもあるスカイタワー(Sky Tower)!その下にはスカイシティ(Sky City)という商業施設があり、東京で言うとスカイツリーのような存在です。
どこを歩いても空が広く、雲の流れがゆっくりで、「どの瞬間も写真に残したくなる」─そんな国だと感じました。
ビルの隙間から見える海と空のグラデーションが美しく、日本では味わえない開放感に包まれていました。






留学とワーキングホリデー、どちらが自分に合う?
私はニュージーランドで、3ヶ月の語学留学+ワーキングホリデーという形を取りました。
実際に体験してみて感じたのは、「留学は必ずしも必要ではない」ということです。
語学学校では、月〜金の9:00〜15:00まで授業がありました。
しかし内容は日本の英語教育とあまり変わらず、「これ、中学や大学で習ったな」と思うことも多かったです。
私はもともと“習うより慣れろ”タイプなので、今振り返ると、最初からワーホリ一本に絞って行動しても良かったのかもしれません。

「海外に行きたい」という気持ちは本当に素晴らしいと思います。
ですが、“行く目的”を明確にすることが何よりも大切です。
たとえば、「海外で友達を作りたい」だけなら旅行でも十分。
「英語を話せるようになりたい」「海外で働きたい」なら、目的に合わせた行動と準備をしてから行くことをおすすめします。
私には明確な目標はありませんでしたが、「ファームジョブを経験したい」という“やりたいこと”はありました。
結果的に、その希望を叶えることができたのがニュージーランドでした。
もし今、もう一度行けるとしたら──
もっと明確なビジョンを持って旅立つと思います。
まとめ
この「ニュージーランド旅行記」は、誰かのワーホリや留学の参考になればという気持ちと、自分自身の原点を忘れないために綴っています。
あのとき感じた不安や期待、空気の匂い、そして心の高鳴り。
それらを言葉に残すことで、もう一度自分と出会える気がします。
次回は、オークランドでの生活をお届けします。
続く【ニュージーランド旅行記②】も、ぜひお楽しみに!
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