2020年の学習指導要領の改訂により、小学3年生から英語教育が必修化されました。
それから5年が経過した2025年現在でも、小学3・4年生では週に1コマ、小学5・6年生では週に2コマの英語授業が実施されており、中学校で学ぶ内容の一部が前倒しされる形で、英語のカリキュラムが組まれています。
しかし、限られた授業時間の中で英語に慣れ親しみ、実際に使いこなせるレベルに到達するのは決して簡単ではありません。
英語を「義務」として学ぶのではなく、「楽しい！」と感じながら自然に身につけることが、将来的な英語力の向上につながります。
そのため、多くの保護者が「英語への苦手意識を持たせないために、幼少期から英会話教室に通わせたい」と考えていることでしょう。
実際、幼いころから英語の音やリズムに触れることで、リスニング力や発音の基礎が鍛えられ、英語をスムーズに習得できる可能性が高まります。
とはいえ、英会話スクールは全国に数多く存在し、「どこを選べばいいのか分からない」「どんな基準で選べば後悔しないのか」と悩む保護者も少なくありません。
そこで今回は、英会話スクールの選び方のポイントと、おすすめのスクールを厳選して紹介します。
お子さんにとって最適な学習環境を整えるために、ぜひ参考にしてください！
筆者プロフィール
✔ 大学で英語・英米文学を専攻し、卒業。在学中には教員免許にも挑戦
✔ 大手英会話スクール勤務経験あり
✔ スクールカウンセラーとして、多くの保護者・生徒の英語学習をサポート
✔ 幼少期から英会話教室に通い、英語学習を実体験
✔ ニュージーランドにて留学・ワーキングホリデー経験あり
これまでに「どんな学習環境が英語力向上につながるのか？」といった保護者の悩みに寄り添い、多くの生徒の成長をサポートしてきました。そんな視点から、実際のスクール選びに役立つ情報をお届けします！
英会話教室は何歳から通わせるのが良いの？
「英会話教室に通わせたい！」と思っても、「まだ早すぎるのでは？」「うちの子は泣いてしまうかもしれない」と、不安を感じる保護者の方も多いでしょう。
では、英会話学習は何歳から始めるのが理想的なのでしょうか？
結論から言えば、「早ければ早いほど良い」です。その大きな理由の一つが、「耳の発達」との関係です。
幼い子どもは、日本語ですらまだ十分に話せない段階で、まずは耳で音を聞き、リズムやイントネーションを無意識のうちに吸収しながら言語を学んでいきます。
これは英語でも同様で、幼少期に英語に触れることで、発音やリスニングの基礎が自然と身につきやすくなるのです。
特に、日本語とは音の種類や発声の仕組みが異なる英語は、早い段階で耳を慣らすことが非常に重要になります。
英会話教室を選ぶ際の3つの重要なポイント
子どもが英語を楽しめる環境か
多くの英会話スクールでは、年齢や習熟度に応じたクラスが設けられており、0歳から受講できるスクールも存在しています。
特に0歳～3歳向けのベビー英会話クラスでは、保護者と一緒に受講するスタイルが主流です。
「まだ言葉も話せないのに、レッスンの意味があるの？」と思うかもしれませんが、実はこの時期に大切なのは、「英語を学ぶ」のではなく「英語に触れる環境を作る」ことです。
言語の基礎となる音やリズムをたくさん浴びることで、後の英語習得がスムーズになると考えられています。
例えば、0歳向けのクラスでは、歌やリズム遊びを取り入れたレッスンが多く、音楽とともに英語の音を楽しく体験できるプログラムが組まれています。
このように、子どもの発達段階に応じて、子どもが英語を楽しめる環境かどうかが何より大切です。
そのため、スクール選びの際には、体験レッスンを受けてレッスンの雰囲気をしっかり確認し、お子さんに合った学びの場を見つけましょう。
子供の年齢・成長によって授業内容が適切なものか
英会話スクールは、スクールごとに特色があり、授業内容が大きく異なります。
たとえば、リズムやメロディーを活用しながら、歌やダンスを通じて英語を体で覚えるアクティブなレッスンもあれば、椅子に座って講師の発音をじっくり聞きながら単語やフレーズを繰り返し練習するスタイルのクラスもあります。
その他にも、ゲームを取り入れて楽しみながら英語を学ぶクラスや、フォニックスに特化したクラスなど、スクールによってアプローチは様々です。
そのため、子供の年齢や成長段階に合った授業内容を提供しているかを確認することが大切です。
幼児期には遊びながら自然に英語に親しめるクラス、小学生以降は読み書きの力を伸ばせるフォニックスや文法を取り入れたクラスなど、発達に応じた学びができるスクールを選ぶと良いでしょう。
授業時間や頻度も重要なポイントで、週に何回通うのか、1回のレッスンは何分間なのかなど、子どもの集中力や生活リズムに合っているかを確認することも大切です。
特に幼い子どもの場合、長時間の座学に耐えられないこともあるため、楽しみながら英語に触れられる環境が整っているかを見極める必要があります。
講師の教え方、クラスの雰囲気、授業内容などを直接確認し、子どもが楽しめるかどうかを体験レッスンで見極めましょう。
英語学習は継続が鍵となるため、成長に寄り添い、楽しく続けられる環境を選ぶことが、将来の英語力向上に繋がります。
費用対効果が合っているかどうか
英会話スクールを選ぶ際、費用は大きな決定要因の一つです。
どんなに魅力的なカリキュラムや優れた講師が揃っていても、家計に負担がかかりすぎると、継続が難しくなってしまいます。
英語学習は長期的な取り組みが必要だからこそ、無理のない範囲で続けられるスクールを選ぶことが重要です。
英会話スクールの費用は、一般的に「入会金＋授業料＋教材費」の3つで構成されています。
幼児向けクラスの場合、まだ文字を読めない年齢でテキストも不要のため、教材費を無料にしているスクールも少なくありません。
また、入会金をゼロに設定しているところもあり、初期費用が抑えられるスクールを選ぶことで、負担を軽減できます。
授業料はスクールによって大きな差があり、1回あたり1,000円～10,000円程度と幅広く設定されています。
週に何回通うのか、1回のレッスン時間はどのくらいか、さらにマンツーマンかグループレッスンかによっても費用は変わります。
また、支払い方法もスクールによって異なり、月謝制・チケット制・一括払いなどさまざまな選択肢があります。
月謝制なら毎月一定額で済むため、家計管理がしやすく、継続しやすいメリットがあります。
一方で、チケット制や一括払いの場合、1回あたりのレッスン料が割安になることもあるため、頻度や学習期間を考慮しながら比較することが大切です。
単に安いから選ぶのではなく、そのスクールが提供する教育の質や学習環境、講師のレベルをしっかり確認しましょう。
たとえば、ネイティブ講師が多く在籍するスクールや、フォニックス指導に力を入れているスクールなど、特定の強みを持つスクールは、費用が高めに設定されていることもあります。
しかし、それが子どもの英語力向上につながるのであれば、十分に価値がある投資といえるでしょう。
英会話教室選びは、子どもの将来に関わる大切な決断です。
家庭の予算を明確にした上で、費用や授業内容などの費用対効果を考え、無理なく続けられるスクールを選びましょう。
英会話教室を選ぶ際の注意点
英会話教室を選ぶとき、多くの親が「子どもに英語力を身につけてほしい」という強い思いを持っています。しかし、英会話教室に通うのは親ではなく、子ども自身です。
そのため、親の期待だけで決めるのではなく、子どもが安心して学び、確実に成長できる環境かどうかを見極めることが大切です。
「本当にこの英会話スクールが子どもに合っているのか？」を判断するために、まずは体験レッスンに参加する家庭が多いですよね。
そこで、失敗しないスクール選びのために、以下の重要なポイントを押さえて体験レッスンに向かいましょう！
アクセスの良さ
習い事を続ける上で、教室までの距離やアクセスの良さは非常に重要な要素です。
特に幼少期の子どもは、急に機嫌を損ねたり、疲れてしまったりすることもあるため、移動の負担が大きいと通うこと自体がストレスになってしまいます。
また、小さな子どもを連れての外出は予測できないトラブルが付き物。
突然の体調不良やぐずり、授業中の集中力の持続など、親にとっての不安要素も少なくありません。
さらに、「子どもが他の受講生に迷惑をかけてしまうのでは…」と心配する親もいるでしょう。
そのような負担を減らすためにも、できるだけ自宅から近いスクールを選ぶことは、安心感に繋がります。
また、教室までの移動手段（徒歩・自転車・車・公共交通機関）も考慮し、無理なく通える場所を選ぶことが大切です。
送迎が必要な場合は、駐車場の有無や送り迎えのしやすさも確認しておくと良いでしょう。
スタッフや講師の質
英会話スクールの講師陣には、ネイティブスピーカー・日本人講師・バイリンガル講師など、さまざまなタイプの先生がいます。
また、講師の性別や年齢、指導スタイルによっても、子どもの馴染みやすさが変わることがあります。
特に生後8ヶ月頃から、人見知りが始まる子どもも多いため、初めての環境や講師に慣れるまで時間がかかる場合もあります。
そのため、スクールスタッフや講師との相性は非常に重要なポイントです。
多くのスクールでは、ネイティブ講師がメインでレッスンを担当し、補助として日本人スタッフがサポートする体制を取っています。
しかし、体験レッスンの際には、実際のクラスとは異なる講師が担当する場合もあるため、慎重に確認する必要があります。
もし体験レッスンの講師と、実際に入会後に担当する講師が異なる場合は、実際に指導を受ける講師がどんな方なのか事前に確認しておきましょう。
相性が合わなければ、せっかくの英語学習も苦痛になり、通うのが嫌になってしまうことも。
せっかくの習い事。費用を無駄にしないためにも、可能であれば、実際の講師で体験レッスンを受けることができないか、講師の変更が可能かどうかをチェックしておくと安心です。
また、講師だけでなくスクールの運営スタッフの対応も重要です。
保護者の相談に親身に対応してくれるか、子どもが困ったときにしっかりフォローしてくれるかなどのサポート体制や人柄もしっかり確認しておきましょう。
クラスメイトとの相性
幼児向けの英会話スクールでは、集団レッスンを採用しているところが多いため、同じクラスの子どもとの相性も、学びの質に大きく影響します。
しかし、体験レッスンでは、実際に入る予定のクラスではなく、別のクラスで受講することもあります。
そのため、体験のときには「このクラスで問題ない」と思っても、いざ正式に通い始めたら「クラスの雰囲気が合わない」「子ども同士の相性が合わない」ということも起こり得ます。
可能であれば、実際に通う予定のクラスの様子を見学・参加させてもらうのが理想です。
クラスの子どもたちの雰囲気や、講師の進め方、子ども同士の関わり方などを確認し、違和感がないかチェックしておきましょう。
また、年齢差が大きすぎるクラスでは、年上の子どもたちについていけず、消極的になってしまうこともあります。
逆に、同じ年齢の子ばかりだと、競争心が生まれにくく、モチベーションが上がらないことも。
そのため、年齢構成やクラスのバランスも事前に確認し、子どもが馴染める学べる環境かどうかを見極めることが大切です。
ベビー・赤ちゃん向け英会話教室おすすめ3選
英会話教室は日本全国に多数存在し、それぞれ特色や指導方針が異なります。
英語を学ぶ上で最も重要なのは、先ほども紹介した通り、子どもにとって楽しく、無理なく続けられる環境が整っているかどうかです。
通ってみなければ分からない点もありますが、まずは体験レッスンで相性を確認することが大切です。
今回は、赤ちゃんや未就学児向けの英会話教室を探している方に向けて、学びのスタイル・カリキュラム・費用・通いやすさなどを考慮したおすすめスクールを3つ厳選しました。
それぞれの特徴を比較しながら、お子さんに最適なスクールを見つけてくださいね。
ペッピーキッズクラブ
「英語を学ぶことの楽しさ」を大切にし、子どもが自然と英語に親しめる環境を提供しているスクールです。
元気いっぱいの子どもたちが主体となるレッスンが特徴で、英語に対する好奇心を伸ばしながら学べます。
特徴・カリキュラム
・年齢別クラスが豊富（1歳・2歳親子コース／2歳・3歳親子コース／4歳～6歳コース など）
・親子コースは3組～8組程度のグループレッスンで、他の親子と一緒に学べる
・外国人講師＋日本人講師のダブル体制で、「自然な英語習得」と「学習のサポート」の両面を強化
費用
・入会金：11,000円
・月謝：約7,700円
・教材費：一括約40万円
※教室やクラスによって異なるため要問い合わせ
通いやすさ
・全国に1,400教室以上展開
・週1回／1回35分のレッスンで、無理なく通える
講師の質
・日本人講師は、子どもがつまずきやすいポイントを考慮しながら指導
・外国人講師は、ゲームやアクティビティを通じて「英語を使って学ぶ」環境を提供
クラスメイトとの相性
・年3回のレッスン参観があり、保護者も子どもの成長を見守れる
・親子コースは保護者同伴なので、安心して参加できる
ベビーパーク英語育児
「英語を生活の中に取り入れながら身につける」ことを大切にするスクールです。
ただ英語を学ぶだけでなく、子どもの知能発達や成長をサポートし、知的好奇心を引き出す育児法も取り入れています。
特徴・カリキュラム
・0歳2ヶ月から受講可能なプログラム（0歳2ヶ月～8ヶ月／0歳9ヶ月～1歳3ヶ月 など）
・最大6組のグループレッスンで、講師が子ども一人ひとりにしっかり向き合う
・親子一緒に学ぶスタイルで、保護者が家庭でも英語育児を実践できるようサポート
費用
・入室金：15,400円
・月謝：15,400円～17,380円
・教材費：月額1,485円
・管理費：月額550円
通いやすさ
・全国300教室以上展開
・年間42回・1回50分のレッスンで、頻繁に英語に触れる環境を提供
講師の質
・日本人講師が担当し、親子の関係性を重視した指導を実施
・育児相談タイムが設けられており、英語学習だけでなく育児サポートも受けられる
クラスメイトとの相性
・完全保護者同伴のため、子どもも安心してレッスンを受けられる
・他の親子と交流できる場としても機能し、育児の情報交換の機会にも！
ヤマハ英語教室
「音楽と英語のリズム」を活かしながら、自然な英語耳を育てることを重視したスクールです。
歌やリズム遊びを中心にしたカリキュラムで、英語のイントネーションや発音を無理なく習得できます。
特徴・カリキュラム
・0歳から参加できるコース（0歳／1歳／2歳クラス など）
・3組以上のグループレッスンで、音楽を通じて英語を学ぶ
・オールイングリッシュのレッスンで、英語の音やリズムに慣れる環境を提供
費用
・入会金：別途必要（教室ごとに異なる）
・月謝：3,850円～
・教材費：月額5,170円
・管理費：別途発生（教室によるため要問い合わせ）
通いやすさ
・全国600教室以上展開
・週1回・1回35分のレッスンで、短時間でも効果的に英語に触れられる
講師の質
・日本人講師が多いため、初めての習い事としても安心
・音楽に特化したレッスンで、楽しみながら英語のリズムを身につけられる
クラスメイトとの相性
・3歳児までは保護者同伴なので、安心して学習可能
・音楽を活用したアクティブなレッスンで、自然に友達と打ち解けられる
まとめ
今回は、子どもの英会話学習を成功させるためのポイントや、おすすめのスクールについて詳しく紹介しました。
英語は、今後ますます重要性を増していくスキルのひとつ。将来の選択肢を広げるためにも、できるだけ早いうちから英語に触れる環境を整えてあげることが大切です。
英会話スクールは、それぞれに特色や指導方法が異なります。
お子さんの性格や学習スタイルに合ったスクールを選ぶことが、長く続けるための鍵となるでしょう。
また、実際にスクールを選ぶ際には、無料の体験レッスンに参加し、講師の質やレッスンの雰囲気、クラスメイトとの相性などを自分の目で確かめることが重要です。
パンフレットやウェブサイトだけでは分からない「子どもとの相性」を見極めるために、積極的に足を運んでみましょう。
英会話学習は、子どもにとって新しい世界を広げる第一歩です。
「英語を学ぶことが楽しい！」と感じられる環境を整え、無理なく継続できるスクールを選ぶことが、成功への近道。
大切なのは、英語を「勉強」としてではなく、自然に親しみながら学べる環境を整えることです。
お子さんが安心して楽しめる英会話スクールを見つけ、一緒に学びの第一歩を踏み出してみてください！
