テプケから南下し、ニュージーランド北島の海辺の町・ネーピアへ向かった日のこと。
旅立ちの前夜、テプケの空には無数の星が散りばめられていて、まるで世界の果てに立っているような静けさに包まれました。
そんな夜のあとに続いたのは、アートと海とドーナツが迎えてくれる、予想以上に“心がほどける”街との出会いでした。

迷いながらの出発。バス停は「公衆トイレの隣」?
InterCityのバス停といえば、看板や待合スペースがあるものだと思っていたのですが、テプケはまさかの「公衆トイレの隣」。
Googleマップを何度も確認しても場所がわからず、少し歩いた先でようやく本物のバス停を発見。
ニュージーランドでは、これくらいの“ゆるさ”は日常のテンションらしい。




ロトルアで少し休憩し、タウポ湖での30分のランチ休憩。曇り空でも湖畔は美しく、旅の途中でふっと息をつく時間をくれました。



5時間の移動の果てに──アール・デコの街、ネーピア到着
ネーピアに着いて最初に驚いたのは、街そのものがアートのようだったこと。
建物のフォント、壁の色、標識のデザインまで統一され、まるで「アール・デコのテーマパーク」に迷い込んだような感覚。
1931年の大地震後に街全体がアール・デコ様式で再建され、世界的にも珍しい“統一美のある街”として知られています。
歩くだけで心が浮き立つような、映画のセットの中を散歩しているような時間でした。















ネーピアでの仕事:キウイフルーツの “Flower Thinning(花摘み)”
ネーピアでの仕事は、キウイフルーツの花摘み(Thinning)。
つぼみの形、実の付き方、太陽の当たり具合を見ながら、収穫時に綺麗な果実になるように余分なつぼみを取る──そんな“未来の果実をつくる仕事”です。






蜂の巣箱のすぐそばでの作業は少しスリリング。けれど、果樹園の中でただ自然の音だけを聞きながら働く時間は、都会では味わえない静けさに満ちています。
雨が降れば即終了、晴れれば爽快。ニュージーランドらしい、自由でのびのびとした働き方でした。
広大なオーチャードを軽トラの荷台で移動する時の風景は、今でも忘れられないほど心に残っています。
空が広くて、世界が自分の目の前でゆっくりと回っているような感覚になるのです。






宿泊先「Arthouse Napier」での出会い
海沿いに佇む「Arthouse Napier」は、木の温もりとアートの香りが入り混じる宿でした。
壁には絵が飾られ、共有スペースには創作する人や旅人の気配が漂っています。
受付横の求人掲示板には週ごとに仕事の情報が貼られていて、「何か仕事ある?」と声をかければスタッフが一緒に探してくれる。
ワーホリの旅人にとっては、ただ泊まる場所以上の“帰ってこられる拠点”のような存在でした。
唯一の難点はWi-Fiが週1GB制限。でも、そのおかげで海辺を散歩したり、人と話す時間が自然と増えていった気がします。


















ネーピアの街歩き!かわいい×海×アート=幸せ
ネーピアの街は、とにかくかわいい。
壁のイラスト、カラフルな看板、レトロなフォント、海外雑誌の1ページみたいなカフェ。
そして、数分歩けば海。
海沿いのサイクリングロードから見える水平線は、吸い込まれそうなほど広くて静かです。
日曜日の朝は、サンデーマーケットが街を彩り、焼きたてのパンや果物が並び、地元の子どもたちの笑顔が溢れる温かな空間になります。












そのマーケットの中で一番の行列が、ミニドーナツ屋「Lil Orbits」。
揚げたてのドーナツは、外はカリッ、中はふんわり。
“ディズニーのチュロスを丸くしたような味”で、甘い香りとともに幸せが広がります。
マーケットだけでなく、ウェアハウス前の常設店でも食べられるので、旅の途中でまた会いたくなる味でした。



カフェ、ジェラート、フィッシュ&チップス。美味しいが溢れる街
ネーピアは、ニュージーランドの中でも“海辺グルメの楽園”のような場所。
波音を聞きながら飲むコーヒー、濃厚なチョコレートアイス、$10でお腹いっぱいになるフィッシュ&チップス。
夜になればライブバー「Paisley Stage」で音楽が流れ、旅人も地元の人も同じ空気の中で揺れています。
アートも海も音楽も、食べ物も。ネーピアには“心の温度を上げてくれるもの”が詰まっていました。







































まとめ
夕暮れに染まる海、朝日に照らされた果樹園、夜の街角で光るアール・デコの街灯。
ネーピアにいると、世界はこんなにも柔らかい色でできていたんだ、と気づかせてくれます。
ワーホリでの仕事を探す人にとっても、海辺の生活を楽しみたい人にとっても、ネーピアは“心の拠点”になり得る場所。
ここで見つけたのは、ドーナツの輪のように、ふとした瞬間に心がほどける日常でした。
旅はまだ続くけれど──ネーピアで過ごした日々は、確かに私の世界を少し大きくしてくれました。





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